刹那の浮遊感。
崩れる体のバランス。
何が起こったか、すぐにはわからなかった。
ぱち、と。
次に瞬きをしたときには
──わたしはソファの上で、京様に組み敷かれていた。
「あ、……の? まだ、話は終わってなくて……」
「そうなんだ。じゃあこのまま続けていーよ」
声が……ちょっとだけ、冷たい。
ていうか、このまま続けてって言われても、この体勢じゃ難しいよ……。
「で。飛鳥井から引換券をもらって……何?」
「はい。それで。最初は断ろうとしたんです。そしたら、“京からのは受け取って、僕のは受け取ってくれないなんて不公平じゃない?”って言われて」
漆黒の瞳がわずかに揺れた、ように見えた。



