「いくら下僕とはいえ、わたしみたいなのが京様と一緒に暮らすっていうのはっ」

「下僕っていう自覚があるなら、主人の言うことには何でも従うのが筋、だと思うけど」


「っ! た、たしかに。……そうかも、」

「はは、納得しちゃったか」



手のひらが伸びてきて、わたしの頭をよしよしと撫でた。

いい子だね、って言うみたいに。


これって子ども扱い?

じんわり熱くなるのを感じながらも、大人しく撫でられていたら。

やがて、指先がくるんと髪先を弄んで。



「ほんとうに可愛い」


ため息のように落とされた言葉と一緒に、離れていく──。