恋と旧懐~兎な彼と1人の女の子~




「ね! 暁くん。お土産見に行っても良い?」



だから,思わず漏れそうになった笑みを封じて



「ん,いいよ」



出来るだけいつも通りに映るよう,意識して愛深を見つめた。

隠してるのか隠してないのか,愛深がホッと息を吐く。

あまりに不器用で,俺は小さく笑った。



「……お土産屋さんってさ,変なちっちゃい人形とか買っちゃうよね」


 
つい,何故か勝手に,代わりに余計なことに気を回す愛深を慰めたくなる。

慣れてない,冗談のような言い方をすると,愛深は嬉しそうに食いついた。



「あっわかるっ! そうなの,日用品とか,沢山持ってるものでもつい買っちゃって…」


でも愛深ははっとした顔をして



「キーホールダーとかも売ってるのかなっ?」



またいらない気を回した。

俺も,バレてるし。

内心苦笑を落とす。

俺も愛深のことを言えるほど,器用じゃなかったらしい。

だけど…。

今日はま,いっか。

と,俺は前を行く愛深を見ながら思った。