恋と旧懐~兎な彼と1人の女の子~

外に出て飲み終わると,案外丁度良い時間。

間に雑談があったからだろうか。

本来の目的の施設にたどり着くと,直前までテンションの高かった愛深の声がポツリと消えた。

なに? と視線を下げると,愛深の赤い耳が見えて,俺は口をつぐむ。

どちらも何も言わないまま入場すると,時間通りな為直ぐに上映が始まった。

たまに体勢を整えようともぞもぞする愛深に反応しながら,俺は静かに目の前の映像を眺める。 

割りと,良かった。

その感想は俺だけじゃないみたいで,静かな愛深の目がきらきらとしている。

話しかけていいと言う雰囲気を感じ取って,俺は愛深に声をかけた。

まぁ,一応,一緒に来てるんだし。



「俺,初めてだったけど結構よかったね」

「うんっだよね! 天然の自然には負けるんじゃないかとも思ったけど,全然綺麗だった!」