「俺の行きたい所は翠の行きたい所だから」

そう言えばおかしそうに笑ってくれた翠。

ほんと……なんでこんな可愛いんだろうな。

それからふたりでいろんな所に行って、気がつけばあっという間に夕方。

「そろそろ点灯時間だな。ツリーの所に行くか」


「うん!!」

ツリーのある広場に行けば、たくさんの人がいて。


「夏希っ、あと1分だよ!」

「わかったから落ち着けって」

ツリーの点灯は6時から。

あと30秒くらいか。

朝からテンションが高い翠に一日中振り回されてきたけど、あっという間にクリスマスが終わりそうでほんの少しだけ……。

このまま時間が止まればいいのに、なんて柄にもなく思ってしまう。

──パァっ……!