* * 「ごめん、遅れたっ」 「ななー、やっと来た!」 ……──時が、止まった、なんて。 大げさかもしれないが、本当にそんな感覚に陥った。 『今日、軽音サークルの交流会があんぞ。ほら、華彩大学って知ってんだろ? あそこの女子は可愛い子揃いだからなー、おまえも来いよ』 就職という選択を延長させるために入ったような大学で、よくからかってくる先輩から誘われただけの飲み会。 適当に切り上げて帰ろうと思っていたのに。