°




空と雲の色が混ざり合うくらい外は薄暗くなって、あと少しで日も沈む。

あの日から何度も日付は変わって、同じような夜が過ぎて、俺の世界は時を刻み続けたけど。

菜々を傷つけた瞬間から、何をするにも心から笑えない自分がいる。




「久しぶり」

「そうだね」



ふたりきりで正面から見る姿は、やっぱり変わらず綺麗だった。



「ずっと、謝りたかったことがある」

「…うん」



胸に残って消えなかったものがある。


自分で傷つけたくせに自身も傷ついて、じゃあなんであんなこと言ったんだ、なんて答えのない迷路に入り込んで。