───キーンコーンカーンコーン、と鳴ったチャイムが授業の終わりを告げた。



「はー、やっとお昼ごはんだー」って、みんながドタバタしはじめるなか、サナちゃんの目配せであることを思い出す。


そうだった、今日は限定メニューが出るから、学食行こうって、朝、約束してたんだ…!




新谷くんの体調がちょっと気になるけど、ドア付近で目をキラキラさせているサナちゃんを暗い顔にさせるわけにはいかない。



「行こっか」

「うん! 早く列並ぼー」




前から4番目に並べた甲斐あって食べることができた、季節限定、ひんやり甘夏ゼリー。

甘酸っぱくておいしすぎたし、おなかが癒された………んだけど。

頭の片隅に新谷くんがうろついては消えて、早く食べたせいか、味を楽しめなかった。