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太陽の明るさが朝を教えて、わたしの体がむくりと起きあがる。


あの噂を聞いた日から、夜に考え事をしてしまうと決まってなかなか寝つけない。


いくつかおかしな方向についていた寝ぐせを手ぐしで撫でながら机の上にある鏡の前に座った。


さぁ、ご対面。



「うげっ…」


予想は外れてくれなかった。

目の下にできた薄黒いクマが、寝起きのわたしにさらにダメージを与える。


最悪だ、こんな顔で学校行ったら……








「さよー、サナちゃんが来てるぞー」


「10分待ってって伝えてー!」



階段からお父さんの声が聞こえる。
わたしはすぐに制服を手に取った。