「なにが…」 「俺のこと、心配だったんだ?」 「っ、……」 満足そうに口角が上がっていく。 余裕なんて通り越して優雅にのぞき込んでくる瞳も、軽く髪をかきあげる仕草も。 きっと、何人もの女の子を落とすテクニック。 わかってるのに、 ただひとつ。 「俺のこと考えて授業聞いてなかったとか、うれしーわ」 ほんとに嬉しそうに笑うのだけは、 新谷くんの、ずるいとこだ。