「そんなに飲むと肝臓壊れますよ」

「ほっとけ」

グラスに入ったカクテルは、一瞬でボスの体に吸収されてしまう。シリウスは呆れつつ、「今度はどんな依頼ですか?」と訊ねた。

「……時間がないから今すぐ取り掛かってほしい」

ボスがそう言い、今回の仕事内容を口にする。作り笑いを浮かべて聞いていたシリウスだったが、その数十秒後には顔を真っ青にしながら走り出していた。

「おい、そんなに慌ててどうした?」

走っているシリウスの中からライが現れ、訊ねる。シリウスは「大変なんだ!!」と叫んだ。

「リヴァイが、リヴァイが捕まったんだ!!」

シリウスの頭の中に親友の顔が浮かんだ。



リヴァイは、シリウスと同い年の特殊工作員である。リヴァイも両親から虐待を受けており、その両親に捨てられるような形で特殊工作員としての道を歩くことになった。

歳と境遇が似ていた二人はすぐに仲良くなり、協力して任務をする時もあった。休日が重なった時は、二人で映画を見に行ったりすることもあった。