シリウスは成長していく中で、自分の中に自分ではない人格を宿してしまう。解離性同一性障害ーーー所謂二重人格というものだ。

シリウスの両親は薬物中毒で、家は幼い頃から荒れており、暴力を振るわれ、シリウスはいつもお腹を空かせて暴力に震えていた。そんな極限状態の中、シリウスの中に生まれたのがもう一つの人格であるライだ。

大人しい性格のシリウスとは真逆にライは交戦的な性格だ。そんなライは始めのうちはシリウスの言うことを聞いていたものの、十一歳の時に我慢できなくなり、暴力を振るうシリウスの両親を殺害してしまう。

全てが終わり、血溜まりの中でシリウスは目を覚まし、ライがしたことに体が震え、涙が止まらなかった。どれだけ憎くても自分の家族だったからだ。血塗れになった両親に対し、シリウスは泣きながら「ごめんなさい」と謝り続けた。

そこへ、借金の取り立てに一人の男が家に訪ねてきた。そしてシリウスはその男に引き取られ、射撃や体術、ハッキングの方法などを教わった。