「何これ!?めっちゃ腫れてるんですけど!」

「うっせぇな。あそこから出るには仕方なかったんだよ」

「めちゃくちゃ痛いんだけど!お前、何してんだよ!」

「だから黙れって!」

そんな言い合いをしていると、脱走に気付いた組織の人間が銃を手に走ってくる。戦闘の苦手なシリウスは引っ込み、体は再びライだけのものになった。

「こんな腐った連中に情や情けはいらねぇな」

そう言い、ライが懐から取り出したのは相手を気絶させる玉ではなく、筒状の形をした爆弾ーーー手榴弾である。

ピンを抜き取り、躊躇うことなくライは手榴弾を組織の人間にいくつも投げる。組織の人間は「手榴弾だ!!」と慌てて逃げ出すも、手榴弾が爆発する方が早い。手榴弾が爆発すると、辺りに火花が飛び散り、熱風が巻き起こった。

「ふぅ……」

組織の人間が落としていった銃やナイフを拾い、ライが顔を上げれば前方から組織の人間が走ってくる。それを見てライはニヤリと笑った。まだまだ暴れ足りないのだ。