そのラインを越えて




「……行こっか!」



私は蒼生くんのそばまでかけ寄った。



きっと。

今は私達の間にあった線は消えている。



暗くなり始めた空には、キラリと輝く星が見えた。



いつか、蒼生くんに「好き」って言ってもらえたらいいなぁ。



星を見つめて、そんなことを考えた。



再び歩き出した私達。

その1歩1歩が。

まるで恋人への道へ続いていくみたいに思えて。

私は大事に歩いていこう、と思った。



蒼生くんへの、本気の恋をぎゅっと抱きしめて。








        ー完ー