とりあえず、母さんの携帯から知り合いには連絡しといた方が良いんかなと思って、母さんの児童施設へ連絡したり友人と思われる人にとりあえず片っ端から連絡した。

通夜って言ったって何したら良いかわからんし、とりあえず児童施設の職員の人や学校の先生が俺の代わりに色々話しを進めてくれてつくづく自分は子供なんだと無力さを痛感した。

「今日は帰っても良いよ?」

本来は通夜の番は親族がやるが中学生で一人の俺には重荷だと、母さんの友人達が通夜の番をしてくれるとの事なので言葉に甘えて家に帰る事にした。

家に帰ると当たり前だが家は静かで真っ暗だった。

今まで母さんが一度も俺を置いて夜に出た事がない事に気付いた。

(散らかってるな)

たった二日母さんが居ないだけで部屋が散らかってたので普段から片付けてくれてたんだなと気付いた。

(あ、洗濯物入れなきゃ)

2日前に干した洗濯物の存在を思い出した。

冷え切った洗濯物を触り取り入れて椅子に座った。

ポタッ

ポタッ

きちんと閉めてなかったのか洗面所の水道の水の音が冷たい部屋の中に静かに響いた。

握った手に痛みが走るぐらいぎゅっとしっかり閉めた。

先生に病院でメロンパンをもらった以外何も食べてなく、お腹が空いた事に気づいた俺は冷蔵庫を開けると2日前に食べなかった朝食と持っていかなかった弁当がラップして入っていた。

(まだ大丈夫かな?)

電子レンジでチンし、コンロの鍋には仕事に行く前に作っていたのだろう味噌汁が入っていたので温めて食べた。

部屋をボーっと眺めながら食べてるとカレンダーに学校の予定が書かれてたり、学校プリント類が綺麗に電話代に置かれて忘れないように付箋にはメモが書かれていた。