突然の奇襲に呆気に取られてる相手に

「うおら!」

と、自転車を振り回したがママチャリは重く疲れたので

(やばい武器武器)

急いで自転車のサドルを抜いて応戦した。

対人数がこっちよりも多い時は、ビビって腰が引けてる奴は無視して

(1番強そうな奴…1番強そうな奴…)

その集団のボスを見つけそいつをすぐ倒す事を心掛けてた。

「なんじゃ!てめぇわ!」

一際背丈があり怒号を放つ奴を見る限りこいつがボス。

すぐにそいつに近づいて顔をめがけてサドルをフルスイングした。

ガツン

「ぐわぁ!」

顔を手で抑えて疼くまる奴に喧嘩キックして後ろに倒した。

倒れた所を何回か蹴ると、亀のように丸くなったこいつは終わり。

振り返ると翼が応戦してる奴が歳上で強そうだからそいつに目掛けて抱きつくように後ろから両足にタックルして倒した。

「やれ!やれ!やれ!」

その言葉に翼は倒れてる人の顔にサッカーボールキックした。

鼻血が出て顔が朦朧としてるのでこの人も終わり。

6人の内の高校生二人倒した。

最初に自転車で轢いた奴はまだうずくまって倒れてる。

もう一人は自転車で倒れてる人に

「大丈夫すか?大丈夫すか?」

と、声かけるだけで応戦してこない。

(えーっと… 6人から4人ひいたら残りは2人だ)

残るは二人。

「はぁはぁ……は!?栗原?」

もう二人は栗原とウチの中学の2年の奴だった。

「てめえ!」

怒りに近い声で叫ぶが顔の前に両手を出し小さなバンザイで降伏のつもりか

「俺はやんない、やんない。中立の立場だから」

ニヤニヤしながら戦う素振りを見せずにいる。

(ざけんなぶっ飛ばすぞコラ)

そう思ってると

「てめえ上島!」

自転車で轢いた奴が起き上がり吠えた。