次の日から俺達6人は学校にカッターシャツの代わりにパーカーを着て登校した。

「おいおいおいおい!なんでブレザーにパーカーなんや!」

校門で濱谷先生に止められる。

「あ、すみません。母がカッターシャツの洗濯間に合わなかったからこれ着ていけって」

「すみません。ウチも洗濯間に合わなかったんで」

「本当だ!先生に言われるまでパーカー着てるの気づかなかった!すみませんボケてました」

各々に言い訳をしてその日は通った。

3年生で目立つ俺達6人がパーカー着てるのはすぐに注目浴びた。

「なんそれ?ダサくねえ?」

栗原がニヤニヤしながら言ってきた。

「知らないの?高校生や東京で今これ流行ってるんだぜ?」

「え!そうなん」

実際流行ってなくても地方の中学生には高校や東京で流行ってると言ったらそれが通用した。

(信じてる信じてる!)

俺達の言葉や行動に影響された奴らがちらほらとパーカー着て登校する奴が現れるようになった。

「あはははは!くそ真面目な委員長までも着てるじゃん」

白のパーカーでフードをブレザーに隠すように着てる委員長に笑い転げた。

ただ数日過ぎるともうその頃には様々な言い訳は通用せずパーカーを着て来た奴には問答無用で家に着替えに帰らされる為、諦めるのが大半だった。

俺達はそれでもゲンコツ食らっても帰されても諦める事なくパーカーで通い続けて濱ヤンも俺達には諦めてた。

「先生あいつらいいの服?注意しなくて」

ズルいとばかりにブーイングしてくるやつも居たが

「成績と内申下がって良いならお前も着て来い」

そう言い返され誰も何も言わなくなった。