「FUBUのジャージとかカッコイイよね」

健太がふいに口を漏らした。

当時、KANIやらFUBUと言った上下ジャージが若者の間で流行っておりヤンキーは特に着てた。

栗原達は

「みんなでお揃い着ようぜ、俺が用意するから」

と、KANIのジャージを仲間に配ってみんなで着ているようだった。

正直夏休みに遊びまくって金欠な俺達からしたらいつも金を持って不自由なく遊んでる栗原が羨ましく見えないと言ったら嘘になった。

ただそれでも俺は栗原と仲良くしたいとは思わないので遊んだりはしなかった。

特に健太はタバコを吸ってたから金欠になっていた。

「LARK MILDやめて若葉にしようかな」

これが口癖になっていた。

「なあ、みんな2000円ぐらいは持ってる?服買わない?FUBUやKANIのジャージは無理だけどさ」

俺はみんなにそう言って提案した。

「何の服?」

健太の問いに

「パーカー!買って学校着て行こうや」

「なんかそれみんなお揃いでカッコいいね」

みんな賛同して学校終わり自転車でみんな買いに行った。

無地でノーブランドのパーカー

「何色にする?」

「合わせる?」

「各々が好きな色にしようや」

「じゃあ俺、黒!」

「俺、黄色!」

それぞれが早いもの順で好きな色を取っていった。

「ええじゃんちょっとチームみたいでカッコいいじゃん」

「ブランドを着るのがカッコいいんじゃなく俺らが着る物がブランドとなってカッコいいんよ」

俺はドヤ顔で言った。

「くっさ!めっちゃくさい事言うじゃん!」

「けど、確かにそうかもな!俺達が着たら真似する奴らも出るかもな」

「なあなあこれ学校で嘘の情報入れて流行らすか」

俺がイタズラ小僧の顔して提案した。