そして、ヤンキー特有の喧嘩したらみんな友達になっていて、いつしか4人は一緒に過ごして行った。

ただ、2年、3年と学年が上がり長い時間過ごすとヤンキーでもやっぱり馬が合う合わないはあって、前にも書いたが、俺と健太と翼の3人の中心のグループと栗原を中心のグループの2つに分かれた。

俺達のグループは馬鹿な遊びが好きな悪ふざけはするけどそこまで良識は外れない正義のヤンキーを気取っていた。

栗原達はなんでも有りだった。

俺達からすれば栗原達のする事は汚く見え、栗原達からすれば俺達はお子ちゃまに見えてた。

もし、ウチの中学のカバンが狩られてると話しを栗原達の耳に入ったらウチの中学を守るよりも大人しい奴からカバンを取って欲しがってる奴に売ってお金を得る事をしてもおかしくないと思っていた。

つか、ウチの中学の今回のカバン狩りもお金になるから栗原が一枚噛んでるんじゃないかとも思っていた。

俺達は今日から巡回する事にした。

と、言っても遊びから帰る時に少し遠回りして帰る程度でとてもパトロールとは呼べる事ではなかった。

実際そんな目の前でウチの学校の奴が他の学校の奴に絡まれてる場面なんて出くわす訳もなく『瀬戸中警ら隊』は名前だけで夏休みには自然消滅した。

中学最後の夏休みは遊びに遊びつくした。

山に海に祭りに花火に。

花火と言っても通称

『戦争』

と言って3対3のチームに分かれて互いに撃ち合った。

「危ねぇ!」

「いけぇ!ロケット花火10連発!」

「ギャハハ!」

「あれ?パトカーのサイレンの音しねぇ?」

「やべぇ、逃げろー!」

とこんな感じに毎日遊びまわり晩御飯を食べに家には帰るものの滞在時間は短く誰かの家に入り浸っていた。