ライブ当日の控え室

「拓郎、彼女とはどうなの?」

大輔が聞いてきた

「順調だよ。大輔は?」

「別れたよ」

「は?なんで?……いや話したくないならいいよ」

ナーバスな顔をしてる大輔の表情を見てみんな振られたんだと察した。

「剛は彼女は?」

「ん?居るよ」

「利伸君は?」

「居るよ」

「わしだけか!わしだけなのか!」

怒り立ち上がる大輔に申し訳ないが笑ってしまった。

「今日、亜依子ちゃんはライブに来るの?」

「うん。友達連れて来るって」

「じゃ、紹介よろしく!」

大輔の立ち直りの速さに思わず笑った。

「それよりも大輔、僕変じゃない?」

剛が大輔に聞いていた。

「大丈夫!ええ男よ」

ステージに上がるとスモークが炊いた後が残っていた。

照明の調整で時々ライトがステージに向けて付いたり消えたりとしてる中、自分達もセッティングを進めた。

照らされるライトに残ってるスモークが幻想的に光を反射させていた。

さっきまで演奏してた他のバンドの人達も興味津々に見てくる。

時間が来て始まりを知らせるブザーが鳴る。

それまで後方のテーブルでお酒などのドリンクを飲んでた人達も前に集まってきた。

「きゃー!つよしー!」

「利伸ー!大輔ー!」

みんなが呼んだ友達からの声が聞こえる。

「たくろー!こっち向いてー!」

「きゃー!」

亜依子から僕を呼ぶ声が聞こえた僕は笑顔で答えた。

「がるるるる!」

後、どこからか動物の威嚇する声が聞こえた気がした。

「こんばんわ!3-Arrowsです!」

僕は一通りメンバーを紹介し、

「それでは聞いてください…」

曲紹介をしてライブが始まった。