それからと言うもの、勉強以外の時間は演奏するバンドの曲を聴いて歌う練習したり作詞を考えたりと時間を費やした。

本当は何度もみんなで練習を重ねて合わせたいがとてもそんな時間はなく各自が家などで自主練する日々を送った。

文化祭当日までにリハーサルを含めて全体で練習出来たのは片手にも満たなかったがもうこの際覚悟を決めて開き直っていた。

文化祭は2日あり、初日は校内のみで2日目に一般公開となっている。

またウチの高校は体育祭同様というかそれ以上に人気が高く、色々な地域の人も多く訪れる。

数年前、最寄りの駅へのゴミの投棄や近所のスーパー等への無断駐車が相次ぎ問題となった。

このクレームを解決すべくチケット制となった。

そして一人あたりに呼べる人数に制限がかかり、チケットを持たないと入場が出来ないシステムへとなった。

またこのチケットが高額で取引されるなど噂が立ち、色々頭を悩ませる事となる。

僕は大輔2枚。それと両親に2枚の計4枚のチケットを渡していた。

ちなみにライブする事は両親には反対されるだろうから言ってない。

ただ、その時間帯に体育館で面白い催し物があるから絶対見に来てとだけ伝えていた。

「親が心配するから言わない。これが反抗期か…」

「絶対来てと伝えてるから違うだろ」

剛につっこまれた。

お昼過ぎに最後に教室で軽く合わせた。

「つか、姉さんかっこよすぎでしょ」

男3人、リーゼントでバッチリ決めてる吉田さんに惚れ惚れした。

この日の吉田さんは歩く度に

「きゃー!吉田様っ!!」

女子生徒達から囲まれて大変そうだった。