剛の中学時代の友人達も見に来てるようで剛の特攻服姿の晴れ姿に喜んでるように見えた。

「お!紅組も始まる」

「また後でね」

剛は周囲に集まった人達にタッチして紅組の演舞を見守った。

「我ら紅組ここに見参!」

紅組も白組に引けをとらない素晴らしい演舞をした。

途中、バランスを崩しよろけてしまった団員も居たけど何事もなかったかのようにすぐに立ち直り堂々の演技を見せた。

観衆は惜しみない拍手と賛辞を送った。

テントの裏でバランスを崩した女子の団員が涙をみせていた。

その姿に僕の心にグッとくる熱い何かが込み上げた。

「うし!午後も頑張ろうぜ!」

「うん」

剛の言葉に僕は大きく頷いた。

それからも個人競技や団体競技などに声援を送り、いよいよ最後の男女混合リレー決勝がやってきた。

ここまでの順位で3-A組は1位。

同じ決勝に残ったC組と争って負けたとしてももう3-A組の総合1位は揺るぎないものとなっていた。

「よしよし消化試合となった事で少しはプレッシャーがなくなって気軽に走れるね」

大橋さんが笑顔で言う。

けれどその笑顔は無理してるような何処か辛そうな顔をしてるように見えた。

「そうは言ってもクラスの順位とは別にやっぱリレーも優勝はしたいよね」

「順番どうする?さっきと同じにする?」

「あ、僕1番は正直プレッシャーで潰されそうで…もう経験したくなくて。中盤ぐらいだったら後はみんなが挽回してくれたりとかなんとかなるかなって」

そう胸を抑えて話す僕に

「わかった!良いよ!」

みんな良いよと言ってくれた。