「リレーで重要なのはスタートとバトンパスだから」

陸上部の吉田さんを中心にバトンパスの練習を繰り返した。

僕は体調が優れない日があり放課後の練習は2回程しか練習に参加出来なかったが凄い楽しかった。

そしていよいよ本番当日。

一年生、二年生、三年生の各クラスが予選を走り各学年の上位2チームが決勝に進み対決する。

一年生、二年生のレースが終わり3年生のレースとなった。

3年生8クラスの内上位2チームが決勝。

正直な所、練習でのタイムは走る8チーム中3位と上手くいけば決勝に残れる可能性を秘めている。

ちなみに走る順番も男女を交互にしなくちゃいけない等ルールはなく、第一走者もアンカーも自由に決めて良い。

誰がどう言う順番で走るかで順位も変動するので一概には3位と言ったが何位にもなれるし、なってしまう。

「作戦も含めて円陣組もうぜー」

剛が言って、みんなで輪になった。

「過去のタイムだと3番になる可能性だからなんとしても2番には入りたい」

剛が言う

「順番変える?」

「そうだな、拓郎、一番手でどう?」

「え!?」

思わぬ提案に思わず固まった。

「バトンパスを出来るだけ上手にいきたいから受け取るのが苦手な拓郎を一番手で行きたいんだけどどうかな?」

嫌と言いにくい理由を出されたら仕方ないと腹を括った。