「騎馬戦とか棒倒しとかよりかは良いでしょ?」

「うーん、確かにそれよりかは…」

そう言うと僕達の姿を見てた女子生徒の一人が

「楽しそうだから私達も走ろ!ね!」

自分と友達の名前を書いてた。

「え!?ちょっと嫌なんだけど!」

僕と同じように巻き込んでの参加のようだった。

僕は自分も被害者なのに二人のやり取りにくすりと笑った。

「はい!決定!練習しようで!」

委員長を他所に剛に半ば強引に決められた。

走る事に不安はあったけど、必要とされる事が小学生以来無かった僕は正直嬉しかった。

本気で嫌だったら僕の表情を読み取って剛は取り消してくれたと思う。

放課後、男女混合リレーに走るメンバーが集まり

「よーし、行けー!たくろー!コケるなー!」

何回か練習した。

ちなみにメンバーは

僕、剛、大友君の男子3人

吉田さん、三宅さん、大橋さんの女子3人

大友君は体が大きく足が速そうな印象で吉田さんは陸上部のエースだから問答無用で速い。

三宅さんは大橋さんに巻き込み事故で参加させられた人だ。

「拓郎?なに大橋さん見てるの?もしかしてタイプ?」

聞いてくる剛に

「いや、小学生時代に好きだった女の子に似てるなと思って」

「へぇ!大橋さんみたいな子がタイプなんだね!そっかそっか!」

「本人には言わないでね、恥ずかしいから言わないでね」

翌日にメロンパン奢るからと条約を結んだ。