「イェーイ!」

「フゥー!」

歌う人がマイクで盛り上げるように叫ぶ声にみんなデンモクを見ながら反応してた。

私は無理矢理渡されたタンバリンを無表情でシャカシャカ振っていた。

「どう?楽しんでる?」

「ううん」

「え?」

私は相当態度も愛想も悪かったと思う。

ほんと自分でもそう思う。

カラオケも何を歌ったかあまり覚えてないが1曲全力で『天城越え』は歌った記憶はある。

「演歌…」

「合コンで演歌」

「女子高生が演歌」

そんな感じの声が聞こえた。

その後は連絡先を交換して健全な高校生達による合コンは解散となった。

時刻は夜の9時

帰りの電車に乗る時はあったはずのパスケースが降りる時に見当たらなかった。

小さなカバンをひっくり返しても見つからない。

お前はマイケルジャクソンかと影であだ名を付けられそうな勢いでシュババババッと、自分の体のあらゆるポケットを探すが見つからない。

その日は電車に乗るから財布を持たずお金をパスケースの中に一緒に入れてた。

すなわち降りようにもお金を支払う事が出来ない。非常に困った。

ちなみに麻央はまだ遊びたいと事で息の合った男の子と夜の街へ消えて行った。

見間違いか男の子の手は真央の腰に回ってたと思うし、麻央もまんざらでもない顔をしていたように見えた。

そんな2人を見て、私の推理が正しければ今頃きっと2人はトランプとかUNOをしてると思う。

それはさておきこのままでは入学当初にウフフ、アハハ、ほら、こっちこっち!私を捕まえてごらんなさいよと脳内お花畑になっていた私のフラグを鉄道警察が回収してしまう。

誰がこのフラグを回収しろと言った。

電車でお金に関するピンチは2回目。

ただ1回目と違うのは全く焦ってなく堂々としてる事。

私だいぶメンタル成長した。

しかし全く解決の糸口は見えず、かと言って今更乗った駅に折り返して行くのも面倒くさく、さて、どうしたもんかねと思ったら肩をポンポンとされたので振り返りました。