高校からの最寄り駅を降りて歩くも地獄の上り坂が私の体力を削る。

赤坂5丁目ミニマラソンの心臓破りの坂よりキツいじゃねぇんかと思えてくる。

みんな颯爽と歩いてく姿を見ては誰か腕掴まさせて引っ張ってってくれないかなと思っていた。

正直、正直、正直

高校はぶっちゃけ楽しくなかった。

元々、自分の学力よりも無理して上を狙って入った高校なので普段の勉強についていくので精一杯だった。

毎日出される宿題。

宿題をやるだけだと普段の授業はついていけないので復習をして予習すると休憩時間が終わる。

出される課題。え?宿題と何が違うの?

受けさせられる模試。受けないとどうなるの?

やらされて痛感させられる実力テスト。

点数で影響する中間テスト、期末テスト。

高校に入学して間もなく聞かれる大学の進路調査。

待って?まだ高校に入ったばかりで高校の事すら何もわかんないよ?

とりあえず、夏目漱石が好きだから文学部のある大学にしといた。今が精一杯で明日も見えないのに大学なんて知るか。

中学時代キャピキャピアハハと何も考えず過ごしてた私は高校の慣れない環境にどっと疲れてババアみたいになってたと思う。

「亜依子!顔面!顔面!よだれ!めやに!」

麻央によく指摘されていた。

度々、高校辞めたいと思うも父に

「高校辞めてどうすんの?高校すら卒業出来ない奴が何になれんの?そもそも大人になって考えてみ、中卒と高卒だったら自分が社長やるならどっち雇うよ?同じ条件なら高卒だろ?それに看護師になるとしても高校辞めたら余計にその道が難しくなるよ。3:5:7って言う離職率の比率の事知ってる?ねぇ聞いてる?ねぇ?」

正論を根詰めされてイライラした。わかってんだよ私だってそれくらい。

別に誰も本気で高校辞めたいとは思ってねぇんだよ。話し聞いてほしいだけなんだよ。

つくづく、正しいは怖いと思った。

なんでお母さんはお父さんと喧嘩が絶えなくなったのかもわかった。

高校の勉強に必死で恋愛なんて出来る暇なんてなく一年があっという間に過ぎた。