文化祭が終わってから数日後の話し

「ごめん、メロンパンの協定破ったわ」

「え?」

「亜依子ちゃんに拓郎が好きって伝えた」

「なんでそんな事言うの!絶対許さないんだから!」

「大丈夫だって!亜依子ちゃんも拓郎の事好きだから!」

「大丈夫じゃない!……え!?」

拓郎の顔が嬉しさから真っ赤になってくのが可愛く笑えた。

「どうしよ」

「告れよ」

「どうしよ」

「いや、だから告れよ」

そう拓郎にまくし立てたが自分はどうなんだと問いただしてみた。

美咲さんの事は好きだが叶わない恋だと勝手に思って諦めた自分にどうなんだと問いただした。

告白すべきかしないべきか。

言って正解か言わないで正解か。

この恋は無理だからどっちも正解であり不正解には違いない。

「なんで文化祭来てくれなかったんですか?」

ハンバーガー屋を訪れて聞いた。

バイト終わりの美咲さんは苦笑いしながら謝ってきた。

「ごめん、行く気だったんだけど彼氏が見たい映画あるからそっちじゃないと嫌だって言って」

「映画なんていつでも見れるじゃないですかー」

ふてくされる僕に何度も美咲さんは両手を合わせてごめんって謝ってきた。

「今度お詫びに何かするから」

「じゃあ宮島に行きたい」

「え?宮島?」

「そう!秋の宮島って言うし10月のうちに」

「秋じゃなくて安芸の宮島ね」

「え!?そう言う字なんですか!?」

美咲さんはしばらくどうしようか悩んだが

「わかった!良いよ!」

そう言って行く事となった。

「高校の遠足以来で久々かも」

「広島に住んでても中々来ないですよね。近くても遠いですよね」

10月末、2人で宮島を訪れた。