「どう?似合う?」

「似合う似合う!」

「今からでもチーム入れよ」

翼達が笑いながら誘ってきた。

「演技するほうの舞踏は良いけど戦うほうの武闘は嫌だわ!」

「天下一舞踏会だな」

「また上手い事を!あ、リレー決勝、優勝するから応援してくれよ!」

「予選も剛の名前叫んだの聞こえたろ!」

「え?聞こえんかった」

「はぁ!?マジかよ。じゃあさっき以上の声出すわ」

変わらず仲良くしてくれる昔の仲間達に感謝した。

「さっきの人達は?」

一連のやり取りを見てた拓郎が聞いてきた。

「ああ、中学の時の友達。リレーめっちゃ声出して応援してくれるって!頼むな!」

拓郎の背中をバシバシ叩いた。

なので変にプレッシャーを与えたからなのかなと、決勝で倒れた拓郎の姿を見て俺のせいだと思ってしまった。

無理矢理リレーに誘ったせいだと自分を責めた。

風邪をひいたりと病院に訪れる事はあったが人が病院に運ばれるのは母親以来だったのであの時の恐怖からガタガタ震えた。

拓郎がこのまま目を覚さなかったらどうしようと怖かった。

なので病院で目が覚めた拓郎を見て一安心した。

拓郎が生きてて本当に良かったと思った。

拓郎の親が先生に怒ってる姿を見て申し訳ない気持ちになった。

親が俺に残してるお金。

節約とは言わないけど出来るだけ必要最低限に来てた。

軽音部に入って買ったギターも一日に使えるお金を3年間削る計画を立てて買った。

「今日は俺が奢るから好きなだけ食べなさい。食べ放題だけど」

そう言って普段節約してる俺は初めて人にご馳走した。

みんなでご飯食べるのに使うのは良いかな?みんな喜んでるから良い事だから良いよね?

みんなには外に出てもらいレジに一人佇む。

レジでどんどん打ち込まれる金額に頭の中で開運なんでも鑑定団のいちじゅうひゃくせんまんと声がこだました。

静かに目を閉じてお会計の金額が確定した時にそっと目を開けたら

「おふ」

普段声にした事ない声が出た。