怒りから一瞬足が止まりそうになったが無視して再び歩みを進めた。

「ムカつくんだよテメェよ!見透かしたように大人ぶりやがって!」

そう言って健太が吠えるも無視して歩く俺だったが

「もうこんな奴ほっとけよ。ここの高校の奴らと楽しく会話して帰ろうぜ」

栗原のニヤニヤしながら言う声が耳に入った。

「それは関係ないだろやめろよ!」

俺はUターンし二人に向かっていった。

「はっはー!そうだよ!お前はこっちの人間なんだよ!何一人だけ良い子ちゃんになろうとしてんの?甘いんだよ!ちょっと栗原、俺のタバコ邪魔だから持ってて」

いつもの様にタバコを人に渡して臨戦体制に入った健太に近寄った瞬間に問答無用で殴られた。

「キャー!!」

他にも帰り支度の生徒も居て悲鳴が飛んだ。

俺は殴られるも我慢して手は出さなかった。

校門近くのケンカであった為先生達が止めに入りいつの間にか警察もやってきてて高校に入って初めて停学になった。

「え!?俺殴ってないですよ!」

「いや、殴ってたよ」

(え?殴ってたの俺…)

殴られるのにムカついてたのか無意識でパンチやキックを出して応戦してたらしい。

停学と言ってもずっと寮にいる訳じゃなく学校には朝行って、生徒指導室で反省文を書いて掃除して、宿題して帰る日々だった。

真面目な学校で喧嘩が理由で停学になるなんて滅多にない話しなのでその話しはすぐに学校中に広まった。

停学が明けたら俺は先日の駅で部長を巻き込んでしまった事もあり部活を辞めようと思ってた。

辞める事を伝えたら

「辞めないでよ」

部長に止められた。

「昔の悪い仲間にやられたから因果応報と思うけど、もう停学して充分反省したようだから良いと思うよ。ここで部活辞めたり学校辞めたりしたらそれこそ奴らの思うツボだから辞めないで、困った事あるなら助けるから」

俺は涙を流し先輩達に感謝した。