ただ、それでも辛いと感じる事もあって、学生にとって学校で過ごす時間が全てといっても過言ではなくて、

「辛いなら行かなくて良い」

「嫌ならやり返せば良い」

とか言う人も居るけど誰もそんな事を望んでなくて、ただただ普通に過ごしたいだけなんだ。

卒業から数年が過ぎ同窓会の席で

「お前らの心ない言動や行動で心も体もどれだけ拓郎が傷ついてたのか覚えてねんか?覚えてねえくせにお前らが拓郎の同級生として昔を語ってんじゃねえよ!」

普段温厚な大輔がキレたらしい。

「やっちゃった。多分もう同窓会には呼ばれんわ!」

苦笑いしながら報告してきた大輔。

大人なんだからやったらダメだけど少し嬉しかった。

結局体育館を出た僕達は女子達がサッカーをやってるグラウンドの側に行って座ってサッカーを観ていた。

僕が辛いと感じる事を涙ながらにぽつりぽつりと話し、相槌をしながら聞いてもらい。

「うん、ほうか」

そう言う大輔の目にも涙が溜まっていた。

「ちょっと、そこの男子二人!エロい目で見ずに応援してよー!」

エロいと言われた事にびっくりした顔で二人見合わせた。

「はぁ!?」

不本意とはまさにこの事だと思った。

名誉を傷付けられたままでは居られないので、僕達はプレイの一つ一つに拍手や歓声を送った。

「高校は別になるけどたまには遊ぼうの。約束の」

「うん」

夕日が差し込み茜色に染まるグラウンドで片付けを始めた女子達の姿を見届け僕達のクラスマッチは終わった。