「へ、へへっ……？」
とりあえずここは摘ままれたまま誤魔化しておくことにする。
私の変な笑いを目にしたコウくんはどこか引いたような眼差しを私に向け、パッと手を離した。
……なんか傷ついたよ！！
って、はっ！また微妙に話がそれている！！
気を抜くとすぐ話が脱線しちゃうんだもん。よくないね。私のバカちん。
ちゃーんと元に戻して、コウくんを問い詰めよう！
理想を聞いてその人みたいになるんだ！
……あ、でも。
『頭が良くて可愛くてスタイルがいい年上のお姉さん』
なんて言われたらどうしよう。
私はどう頑張ってもそういうタイプにはなれなさそうだもん……。
かっこいいコウくんの隣にはそういう女の子が合うだろうし……うぅ、想像するだけでもやもやする……。
「なに百面相してんの」
「う、ううん！なんでもない！そんなことより、好きな人を教えてよ！名前が無理ならどんな人かだけでもいいから！ね？お願い～！」
「ふっ……」
両手を合わせて頭を下げる私を見てコウくんは鼻で笑った。
こっちは真剣なのに……！！
