ねぇ待ってそれ聞いてないっ!




だけど驚くべきことは次の瞬間に起きて。


コウくんは大事に抱き込んでいた私の身体を離し、私の手首をやんわり掴む。


そして、それを私の顔の前まで持ち上げたかと思うと。


―――ちゅっ。


自分の唇をそっと押し付け、軽いリップ音を立てた。


「な、な、な、なに」

「手首へのキスは強い欲望。知ってた?」

「し、知るわけないじゃん!不意打ちは良くないよ!!」

「事前に言っておけばいいってこと?」

「違うよ!ドキドキしちゃうからダメ!!」

「もっとドキドキすれば?」


顔色一つ変えずにけろっと言い放つコウくんと、動揺しまくりの私。


思考が乱されて騒がずにはいられない。


1分でいいから私の落ち着き度を100倍くらいにしてほしい……。


あ、0に100をかけても0にしかならないから意味ないか……って今はそんなこと考えている場合じゃない!


キス。そう、突然のキスだよ!!!


特別なそれをしてくれたことで、ほんとに私のことが好きなんだとわかったけど……信じるけども!


なんだか振り回されっぱなしな気がして納得がいかないー!


最後の質問だって嘘をつかれてたし!あれはほんとのずるだ!!