ねぇ待ってそれ聞いてないっ!




「俺の好きな人はあかりだよ」


私の大好きな声が、震えながら言葉を成した。


てっきり刃に毒を塗った刃が飛んでくると思っていたけど……どうやらそうじゃないみたい。


「………」

「………」

「………」

「俺はあかりのことが大好き」

「………は!?」

「何回言わせる気?あかりのことが誰よりも大切で可愛く見えるって言ってるんだけど」


ブラックコウくん、再び。


ただし冷徹な瞳の中に、似合わない熱を帯びている気がした。


そういえば、好きな人の話のときに甘々なことを言ってたような気もするね。


私、その子がすっごく羨ましいって思ったんだよね……。


……あれ、ほんとに?ほんとにコウくんが私のことを好きなの?


幻聴?妄想?別世界?


果たしてどれが正解なの?


つい数分前までは私も酷い勘違いをしていたけど、もう騙されないんだからね!


「なにその目、あかりのくせに生意気」


じとーっと再び顔を上げて疑いの眼差しを向けていると、すっと目を細められた。


目を細めても麗しいのは、もはや今更驚かない。