彼女の隣に座り、猫を紹介し合う。
「この子はベルちゃん。女の子なの」
「可愛いですね〜。うちの子は男の子です。この子はマルで、あともう一匹、白猫のタマって子がいるんです」
「へぇ〜。兄弟?」
「はい。今日健診の日で、ちょっと怖がってたので気分転換にここに連れてきたんです」
「え! そうなんですか⁉ 実はこの子も今日健診なんですよ〜」
「同じだね〜」とバッグの中のマルに話しかける彼女。
意気投合し、軽く自己紹介もし合った。
彼女の名前は市瀬さん。
俺より三つ年上の高校生。
母親の付き添いで来たらしいんだけど、少し早く着いたため、公園で時間を潰していたんだそう。
「マルちゃん達とはどこで出会ったの?」
「父の友人の猫に子どもが生まれて貰ったんです。一匹だと寂しいだろうと思ったので二匹引き取りました」
「確かに兄弟がいると安心しますよね。ベルちゃんはブリーダーさんから貰ったんです。この子達が兄弟の写真です」
「わ〜! 可愛い〜!」