【短編】猫が運んだ淡い初恋


市瀬さんと同じく突然現れた、切れ長の大きな目が特徴的なかっこいいお兄さん。

服装と立ち姿から大人の雰囲気が感じられる。


あ……これはもしかして。



「っと……君は世蘭(せら)ちゃんのお友達?」

「はいっ。猫友達の須川っていいます」



誤解を招かれないよう、急いで名乗った。

っていっても、俺だけ、ザ・学生って感じの服装だから、むしろ後輩や従弟みたいにしか見られなさそうだけど。一応ね。



「零士君、この子がトラ吉とトラ美ちゃんを見つけたんだよ!」

「え! そうなの⁉
はじめまして! イチノセです! トラ達を見つけてくれてありがとうございます!」


「あっ、はい……」



予想を上回る反応に拍子抜けする。


感謝されちゃった。しかも握手まで。

トラ吉はもちろん、トラ美ちゃんも知っているということは、笹森さんとも交流があるのか。

同じ高校なのかな?


っていうか、今イチノセって……。




「もしかして、結婚してるんですか……?」