【短編】猫が運んだ淡い初恋


病院近くの公園の東屋に市瀬さんがやって来た。

今日はお互いに健診……ではなく、ベルちゃんの避妊手術の日。


じゃあなんで関係のない俺がここにいるのかっていうと、

実は先月、出会わせてくれたお礼にと、先生と従兄弟達に記録用に撮っていた猫達の写真をたくさん貰ったんだ。


それで市瀬さんと分け合おうと思って、お母さんを通して連絡したら、ベルちゃんが手術するって聞いて。

その日に合わせて会おうかって話が出たわけ。


ちなみに今日は、お母さんが買い物に行く用事があって頼れなかったので自転車で来た。



「これが貰った写真なんですけど」

「わ! 分厚っ! 一体何枚あるの?」

「毎日撮ってたと聞いただけなので、どれくらいかはちょっと……」



苦い笑みを浮かべながら、パンパンになっている封筒を開ける。

取り出すのが大変だったのでどちらも破いて開封した。



「とりあえず、アップのと引きので分けてみようか」

「はい」



写真を半分に分けて、テーブルに種類別に並べていく。

この量だと……手術が終わるまでには難しそう。