【短編】猫が運んだ淡い初恋


涙が溢れそうになるのをこらえてお礼を言った。


学校の現状を知って、少し人に恐怖心を抱いてしまったけど、あの子達の幸せのためだから。

知って良かったって思わなきゃ。



その後、帰宅して母に説明。

悔しくて話してるうちに涙が出てきちゃったけど、「よく頑張ったよ」と、背中を擦って慰めてくれた。


市瀬さんにも一応伝えないと……。




◇◇



学校で募集をやめて数日後、従兄弟家族とのお試し期間が終了した。

相性ピッタリだったため、正式に家族の仲間入りに。
名前はコジロウ君って言うんだって。

従兄弟いわく、「二番目にデカかったから」だそう。


コタロウとコジロウ……ちょっと似てる。

コタロウ君はどんな由来なんだろう。今度聞いてみようかな。




──十月上旬の土曜日。



「遅れてごめんね。説明が長引いちゃった」

「いえいえ。ベルちゃんは今日泊まるんですか?」

「うん。念のためにね。トラちゃん達寂しがっちゃうかなぁ」