【短編】猫が運んだ淡い初恋



「許せない……」


「あぁ。猫を引き取った俺としても、これは許せない。

だから…………仮に生徒の中から希望者が現れたとしても、被害に遭っている以上、譲渡するのはやめておいたほうがいい。

犯人か明らかになっていない状態では危険だ」



閉め切られた空間なのにも関わらず、鳥肌が立った。


たとえ猫が好きな人だったとしても、もし希望者が問題児だったら。いじめっ子だったら。

ストレスの発散先が人間から猫に変わることもあり得る。



「何かあってからじゃ遅い。小さな命を危険に晒したくないんだ」

「っ……」



恐怖と怒りが入り混じる。


捨てられた次は暴力を振るわれてしまう、なんてことは絶対させたくない。

あの子達を守るためにも、やめたほうがいいのは納得している。


だけど……今まで順調に進んでいた分、ショックが大きすぎて……。



「本当にごめん。須川の気持ちはすごくわかるけど……」

「いえ……教えてくれてありがとうございます」