この声は生徒指導の先生の声だ。
至急……?
風紀検査には引っかかってないんだけど……何だろう。
「お、これはもしかして猫ちゃんの話か?」
「あー、あの人怖そうに見えて猫好きだからなー」
「え! そうなの⁉」
「おぅ。この前ペットショップで猫ちゃん抱っこしてたの見たから。可能性はあるんじゃね?」
「いってらー」と笑顔で友人達に見送られ、職員室へ。
生徒指導の高倉先生は、凛々しい眉毛が特徴的な強面の先生。
背が高い上にガタイも良く、生徒達からは「怒らせたら殺される」と恐れられている。
まさか猫好きだったとは……ちょっと意外かも。
「失礼します。一年一組の須川湊士郎です」
「おー! 来た来た! 待ってたぞ〜」
職員室のドアを開けた先には、満面の笑みで手を振る先生の姿が。
この様子だと風紀検査の件ではなさそうだ。
そのまま生徒指導室へ連れていかれ、椅子に着席。
すると──。
「猫ちゃんの話なんだが……うちで良ければ、迎えたいと思っている」