「えっ! お父さん本当⁉」

「あぁ。倉庫にまめおのケージがあるからそれを使えばいいだろう」



すんなり受け入れた父親に目を丸くする市瀬さん。

ベルちゃんが暴れていたため、今日はお父さんも付き添いで来たのだそう。


話を聞いてみると、以前は犬を飼っていたようで、その時のケージがまだ残っているらしい。


うちはタマとマルが初めて飼う動物だから、たとえ犬であれ、動物を飼ったことがある人のほうが適任と言える。

だけど……。



「あの、本当にいいんですか……?」



いくら経験があるとはいえ、ベルちゃんがいる中で四匹のお世話はかなり大変だ。

元は自分が見つけたんだから、せめて一匹は面倒を見ないと。

市瀬さん家にばかりに負担はかけられない。


と、彼女の父親に話すと。



「大丈夫。僕、子どもの頃に猫を飼ってたんだ。その子達も捨て猫で……あの子達と同じような袋に入れられていたから放って置けなくてね。子猫達の扱いには慣れてるから大丈夫だよ」

「そうですか……? でも、四匹はさすがに……」