「ご飯、盛らなきゃ」


 しゃもじで軽く混ぜてお茶碗にご飯を人数分盛った。


「……なんで私……」


 一人なんだろうなぁ。どうして死んじゃったんだろう、お母さんとお父さん。なんで私のことを置いて行っちゃったの?

 そんなことを考えてたら悲しさを止めることができなくなる。


「お待たせ〜うわ、うまそう。焦げてないハンバーグ久しぶりだな」

「芭奈ちゃん様様だな、食べよ〜」


 涙が溢れそうになって私は「先に、食べててください」とだけ言ってリビングを出た。リビングを出て自分の部屋に戻り鍵をかける。

 すると、段々感情のコントロールができなくて涙がポツリポツリと流れてくるのがわかった。