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 ビニール袋三個は持って帰るのはとても大変だったけど、ほとんど彼らが持ってくれて助かった。帰宅し、私は凪斗くんリクエストのハンバーグ作りに取り掛かる。

 買ってきたひき肉と昨日買っていた玉ねぎをみじん切りをしフライパンで飴色になるまで炒めてから冷ます。ボールに四人分のひき肉、玉ねぎ、卵、ナツメグ、塩胡椒、パン粉を入れて混ぜて形成させてフライパンでオリーブオイルで焼いた。

 お皿に茹でたブロッコリーとスーパーの惣菜のポテトサラダを添えてハンバーグを盛り付けてその上に大葉と大根おろしを乗せて完成……っと。


「え、めちゃくちゃうまそう〜」

「芭奈ちゃん、すごいね」


 テーブルに配膳していると虹季さんが帰ってきた。


「ありがとうございます。ご飯もう炊けるんで手洗いしてきてください」

「うん。凪斗と悠眞も呼んでくるね」

「はい、よろしくお願いします」


 虹季さんが出ていってすぐ、炊飯器がピーピーと鳴り開けるとご飯の香りが広がる。
 いい匂いだなぁと思いながら、初めてご飯を炊いた時のことを思い出す。あの時、心配そうにお父さんが私を見てたっけ……お母さんもいっぱい褒めてくれたなぁ、そんなことを思い出してなんだか悲しくて寂しい。

 泣いてしまいそうだ。