「芭奈、もう時間だ! 早く学校行かないと遅刻になるよ」

「ほ、本当だ! 制服着てくる!」


 私は手を合わせて「ご馳走様でしたっ」と言うと自分の部屋に駆け込むと制服を着て髪はストレートにして家を出た。

 家を出るといつもなら後ろからやってくるモカちゃんが歩いているのが見えた。


「モカちゃん!」

「芭奈! もう先に行っちゃったのかと思ったよー」

「ごめんってー……お母さんと話をしてたら遅くなっちゃったんだよ」

「話? なんかあったの?」


 モカちゃんにさっき話していた結婚記念日の旅行について話すと「そういうこと〜」と言って何かを考え始める。


「旅行の間、私の家泊まりにおいでよ〜おばさんたちがいなきゃ花屋は営業できないでしょう? それに家にいたらおばさんたちも安心じゃない?」

「確かに! それ楽しそうね」

「でしょ? お母さんたちに相談してみない? 結婚記念日はいつなの?」

「記念日は来週の金曜日。旅行は来週の木曜日から土曜日に行くって」


 二泊三日の旅行で平日だから学校行くし、心配いらないと思うんだけどなぁ