「楽しかった。すごく」



これは嘘じゃない……本当の気持ち。

ゲームセンターで撮ったプリに、半分こした
ケーキ。


他愛もない会話をしながら雑誌屋さんで買ったお揃いのマグカップ。


途中でふざけ合って……お腹が痛くなるくらい笑って。


全部全部、楽しかった。

時間を忘れるくらい。



「よかった。最初こそ元気が無かったけど、ナギの笑顔が戻ってきた時、連れ出してよかったって思ったの」

「へへ、ありがと」



「辛いね、遠距離恋愛も」


琴乃が真っ直ぐ前を向いたまま言うから、あたしも大きなツリーを見つめる。



「……うん」

会いたいときに会えないし、他に好きな子作っちゃうんじゃないかって不安とかいっぱいあるけど……

だけど……


「会える瞬間が最高に幸せだから」


クシャッて笑う颯真を見て、その度に君に恋をする。