クールで無口(大嘘)な白井くんは愛が重い




「また家には入るんですから、持ち帰ったら……。それに、俺が温めて返す頃には宮坂さんも学校にいますし、熱が冷えるまで使うタイミングがないじゃないですか」

「……っ白井くん、自分が受け取る側になると途端ににぶいのやめてください」

「…………え?」

「わたしはほだされかけてるかも、とか、いやそんなわけない、ほだされないぞ、とか、ぐっちゃぐちゃなんですよ」

「え、あの、宮坂さん?」



目をつぶって、言う。全部全部ぶつけちゃえばいい。その全部を理解してほしいなんて、そこまでのわがままは言わないから。だからせめて、



「なのに白井くん、全然なんもわかってないし。わたしが勇気出してくるしみながらくるしい言い分連ねたってのに伝わってないし。白井くんのそういうとこ、いやです。わかってください、全部わかれとは言わないですよ、ただ、」

「あの、宮坂さん、まって……ください」



白井くんの懇願するような声に、ふと、目を開けて。真っ暗な空に、キラキラ輝いている星たち。顔をてのひらで覆いながらも、真っ赤な耳が覗いている白井くん。視界いっぱいに、映って。