言うと、むっとしたような表情を浮かべた白井くん。えっなんですかその顔、激レア、写真撮りた……。撮って見せたい、かわいいのはわたしではなく白井くんですよ、──と。
「だめです」
「だめじゃないんです! 使ってくださいよ、即日返却のほうがだめです」
「でも」
「じゃあわかりました、明日! 明日、返してください。返す前にあっためておいてください。わたしは、家に入ってから外したにも関わらず置きわすれて持ってきちゃったんです、だから」
我ながらくるしい。くるしすぎる言い分だ。それでも負けない。負けたくない。これはわたしが勝ちをいただきたく思っておりまして。



