うん? と首を傾げると、白井くんは目を細めてわらう。はい。よく通る声で返事をしながら。
──あ、この笑顔、キラキラしてて好きだ。
「もらってもらうんじゃなくて、あげられるような関係性がいいのかなって。それから、俺も自分のことを話すようにして。あと、付き合えなくても、通じなくても、友達ではいてもらえる保険があって」
「もらってもらうんじゃなくて、あげられる……?」
白井くんの表現は、文学的というか芸術的というか。わたしにはよくわからなかったけれど、
「感覚的なものですよ」
感覚的なものらしいから、これはこれでいいのかな、とか、思うんです。ね、白井くん。
「今日、楽しみですね」
「っはい!」
デートって名付けるのも、いいかなあ。みたいな。わたしはいま、そんな感覚です。



