「なんでそんなにかわいい表情してるんですか」 「してねえですけど」 「声もかわいいな……」 「そんなの出してねえですけど」 「口調も好きです」 「白井くんの好み、よくわかんないですね」 「……いや、べつにタイプではなかったんだけど」 なおさら意味がわかんないよ、白井くん。 「わざと荒くしてる口調、めちゃめちゃかわいいと思って」 「はあ、そうですか」 「それで、交際を前提に友達になってくださ」 「ごめんなさい」 宮坂仁乃(にの)。高校二年生。無口なイケメンのパンドラの箱を開いてしまった、冬。