たすけて!田中くん



憂鬱な気分のまま上履きに履き帰らせられて、逃げられるはずもなく連れて行かれる。

ああもう……どうにでもなれ!

と、投げやりに思っていた私に天は味方した。


留守のプレートがついている保健室のドアを見て、ほっと胸を撫で下ろす。

どうやら先生は職員室で朝礼中のようだ。



「留守みたいですね。諦めましょう。自然治癒頑張ってください」

けれどそんなことお構いなしといった様子で、敦士が強引にドアを開けた。

……あまりに思いっきり開けるのでドア壊れそうな勢いだった。


「いや、あのそういうことするのやめたほうが……」

スタスタと中に入っていく敦士に圧倒されながら私は立ち尽くす。



「凪沙」

椅子に腰掛けた敦士が当然のように私の名前を呼ぶ。そのことに私は顔を顰めた。


呼んだ意味はわかっている。

こっちにこいってことだ。