たすけて!田中くん




どうしてこんな日に限って、田中くんは廊下に出て窓の外を眺めているんだろう。

最悪だ。関わらないほうがいいと言われたのに、結局関わっていることを知られてしまった。呆れられているに違いない。



「なにしてんだ。行くぞ凪沙」

「ちょっ!?」

なんのつもりなのかわからないけれど、敦士が私の肩を抱き寄せた。

きゃあ!っと女子の悲鳴のような声が聞こえてきたけど、そんなことよりも血の気が引いていく。

あろうことか敦士に腕を掴まれ、しまいには肩を抱かれながら遅刻ギリギリで登校するところを、田中くんに見られてしまったのだ。


嫌がっていたくせになに一緒に腕掴まれながら登校してんだよって、田中くんに軽蔑されてしまうかもしれない……。